それでは、2日目です。

2日目は午前・午後ともに会計学となります。

会計学は、午前の会計学Ⅰ(管理会計論)と午後の会計学Ⅱ(財務会計論)の2つを合わせて1科目として評価されます。

つまり、論文式試験の合計700点のうち、300点分(管理:100点、財務:200点)を会計学が占めているので、2日目の成否が合否に大きく影響を与えることになります。

なので、1日目で会場の雰囲気とかには慣れていましたが、緊張が解けることはありませんでした・・・

なんなら1日目よりも緊張したんじゃないかなとさえ思います。

それでは、2日目いってみましょう!!

 

(問題はこちらの金融庁のHPよりご確認ください。)

会計学Ⅰ(管理会計論)

2日目の1科目目は、管理会計論です。

いやー、管理会計論は荒れましたね。

いろいろとツッコミどころの多い問題だったと思います。

 

論文は経営学を除いてどの科目も時間がタイトなんですが、租税法と1,2を争うくらいに管理会計論も時間がタイトです。

基本的にはすべて解ききれる量ではありません。

なので、これも試験時間中の時間配分が上手くできるかということが重要になってきます。

今回のような問題だと特に、いかに捨てるべき問題を捨て、拾える問題を確実に拾えたか、が勝敗を分けたと思います。

(耳タコですが、改めてその大事さを実感しました。)

第1問 – 問題1

いきなりやってくれました。

まさかの「連産品」です。

(公認会計士・監査審査会HPより引用)

網掛けの意味ある?????

わざわざ連産品を出す意味ある?????

短答では対策していると思いますが、論文では対策していなかった人がほとんどではないでしょうか。

これもまた5月短答合格組に対する配慮でしょうか?(だとしたら配慮の仕方おかしくない?)

12月短答合格組は最後に解いてから8ヵ月、過年度生に至っては1年以上経っている人がほとんどだと思います。

範囲に含まれている以上、文句を言ってもしょうがないですが、もう少し配慮してほしいですよね。。。

 

とはいえ、問題自体はそこまで複雑ではありませんでした。(量は多いけど)

ただ、ちょいちょい引っ掛けがあるので、高得点を狙うのはそれなりに難しいような気がします。(計算忘れかけてるしね)

 

まずは、問1。

連結原価を求めされる問題ですが、工程別総合原価計算。

なるほど、工程別についてこのあと何かしら問われるのか。(問われない)

工程別に関する理論とか出そうだな。(出てこない)

工程別の意味ある!?!?!?

しかも原価配分法も減損処理もぜんぶ同じだし。

計算量を増やすためだけでしょうか。(だとしたらセンスないよね)

でもとりあえず計算しなければなりません。

第2工程の完成品原価は多くの人が求まったと思います。

問題はここからです。

「副産物の価値は軽微と見なすことはできない。副産物は、外部にそのまま売却される~」

この指示で、つまりどうすればいいの!?となったんじゃないでしょうか。

とはいえ、考えられる選択肢は2つ。

副産物の販売高を連結原価から控除するか、しないか。

AとBの連結原価が問われているので、なんとなく控除する気がしますが、こういうときはどっちもその後の計算(今回は積数で按分)をしてみて割り切れる方を採用してみるというのがいいと思います。

今回は、第2工程の完成品減価から副産物の販売高を控除すると積数できれいに按分できますので、こっちを採用です。

ちなみに、積数は「生産量×売価」で計算しますが、資料が隣にあるのでノリで「販売量」を使っちゃった人もいるのではないかと。(販売量を用いた積数で按分すると割り切れません)

これで連結原価が出せるわけですが、この連結原価を間違えてしまうと(副産物の販売高を控除しないと)、問5(1)以外は全滅します。

そういう意味で、第1問の問題1はでリスキーな問題だなぁと思います。(そもそも連産品出すのがおかしいけど)

はい、ここまで考えてやっと問1です。

ここから色々と展開していくので、やはり問題量は多いですね。

 

続いて、問2です。

これは正常市価基準で連結原価を按分するだけなので、連結原価が算定出来て計算方法を覚えている人にとっては一見、簡単に見えます。

ですが、問われているのは「予想営業利益」。

注意点は、2つです。

1.連結原価のすべてが期間原価とならないこと(売上原価を算定する必要がある)

2.販管費の250,000千円を忘れずに控除すること(しれっと書かれています)

これを乗り越えると、晴れて営業利益が算定できます。

私は、最初何も考えずに、連結原価と販管費を売上高から控除した金額を解答に書きました。(つまり、1.の注意点を見落としていた)

ですが、この計算だと問3でも同じ計算結果になってしまいます。

そこでやっと1.の注意点に気づきました。

冷静に考えれば、売上原価を算定しなければならないのは当たり前に思えますが、本試験では冷静さを失ってしまうことが多々あるので、いかに冷静さを取り戻せるかが大事ですね。

 

問3(1)は、連産品の理論。知らん。

 

問3(2)は、問2を生産量基準で按分し直すだけです。

なので、問2が出来た人は出来たんじゃないでしょうか。

 

問4は、工程別総合原価計算のやり直し。(無駄に計算量増やすな)

計算方法は問2と全く同じです。

なので問2が出来た人は、ここも最終数値までたどり着いたと思います。

ですが、また注意点が1つ。

「最終数値の円未満を四捨五入すること」

え?「円未満」???

資料の単位も解答欄の単位も全部「千円単位」だけど!?!?

最終数値は千円単位だと小数点第1位で割り切れるので、それが正解です。

ですが、「千円単位未満四捨五入」と読み間違えて四捨五入してしまった人は多いと思います。

こんな指示出すなよ、としか言いようがないですが、試験委員は神様らしいのでしょうがないですね。

もしかしたら指示ミスで四捨五入していても正解、ということはあるかもしれないですが、小数点第1位までで割り切れることを考えると試験委員が用意した引っ掛けのような気がします。

だとしたらなかなかに性格悪いですよね。本質的じゃない引っ掛けは本当にやめてほしいです。

 

問5(1)は、追加加工の差額損益。

これだけ連結原価と関係がないので単独で計算できます。

計算構造も簡単なので解きに行くと思いますが、ここにも引っ掛けポイントが。

「A製品220kgを投入しなければならない」とありますが、この指示につられて機会原価を220kg分としてはいけないのです。

(私はこのミスをしてしまいました。)

問題文の冒頭に、販売予定数のうちの200kgを追加加工するとのことですので、こちらの200kgが機会原価になるみたいです。

残り20㎏分は?というと、これは期末予定在庫分が使用されるとの指示があるので、ここから機会原価は生じないことになります。

これは普通に引っ掛かってしまいました、難しい。。。

 

問5(2)は、上記を加味した上で、計算は問2と同様です。

(1)を落としてしまうと、必然的にこれも落としてしまいますね。

 

問6は、ここまでの計算を踏まえた理論です。

時間的にここまでたどり着けなかった人も多かったんじゃないでしょうか。

結論としては、案3が最も望ましい、ということになりますが、これは完全に現場思考型の問題ですね。

こういう問題は、各案のデメリットを探してみるというのがおすすめです。

案1は、計算方法を変えているだけなので、本質的な改善策とは言えないのは簡単にわかります。

案2は、営業利益が改善していることからも一見良さそうですが、ここで全部原価計算と直接原価計算の比較で出てくる典型論点を思い出せるかが勝負ですね。

つまり、全部原価計算において生産量を増やすとどうなるか。固定加工費がより多く期末在庫に配分される結果、期間原価となる売上原価が減少します。

今回の案2は、この結果として営業利益が改善していますが、上記の問題点は、期間原価を減らすために過剰生産(からの余剰在庫)を誘発するということです。

この点を思い出せた人は、案2が本質的な改善策にならないどころか、むしろデメリットのほうが大きいのでは??ということに気づけたのではないかと思います。

ということで、最善策は案3ということになります。

ここまでの計算で流れが掴めているということが前提にはなってしまいますが、良問だったのではないかなと思います。

 

続いて、第1問の問題2です。

第1問 – 問題2

問題1とは打って変わって、次はシンプルな標準原価計算。

理論は少し書きづらい問題が多かったように思いますが、問1の計算は例題レベル。

この計算はしっかりと点を取らないと差をつけられてしまうような問題だったと思います。(平成29年度の第1問-問題1の計算がそんな感じ)

(ちなみに、たぶん私は異常仕損費と原価差異を間違えてますw)

 

問2(1)は、正常減損分を標準消費量に含めないタイプの原価標準の特徴について。

このような原価標準がどのようなものか、ということは分かっていても、特徴って何書けばいいの?っていう人が多かったと思います。

私も何を書こうか迷って、何か変なことを書いたような気がします。笑

 

問2(2)は、上記のタイプの原価標準のモチベーションの向上以外の経営管理上のメリットについて。

これは問1の仕掛品勘定がヒントになります。

問1の仕掛品勘定では異常仕損費が算定されています。

このような異常仕損費の算定は、正常減損分を別建て表示しているからこそ可能になるのです。

これが別建て表示することのメリットになります。

 

問3(1)は、製造ラインについて最も重視すべき原価差異について。

一般に、原価差異を考えるときには管理可能性を考える必要があります。

標準原価計算では、能率の管理対象である作業員の管理が重要となるので、そのなかで管理可能な差異と言えば作業時間差異になるわけです。

冷静に考えればこうなりますが、この問題では仕掛品勘定の計算しかしていないので、原価差異分析をしていません。

なのでこの段階ではどの原価差異が不利差異なのか、ということも分かりません。

こうなると思考が停止してしまうことも考えられるので、作業時間差異をしっかりと指摘出来た人はそんなに多くな気がします。

(私は何を書いたか忘れました・・・)

 

問3(2)は、原価差異の分析以外の重要な管理ポイントについて。

答えはシンプルに異常仕損費について言及すればよかったみたいですが、私は修正パーシャルプランを思い起こしてなんか違うことを書いてしまいました。

シンプルに考えるということは大事ですね。

 

問4は、計算で嫌というほどやっているはずなので、しっかり書けた人がほとんどでしょう。

 

問5(1)は、製造間接費の原価差異で最重要視されるべき差異について。

解答として予算差異を書けた人は多かったのではないでしょうか。

作業時間差異に引っ張られて能率差異にしてしまった人もいるかもしれないですね。

本問に限らず、基本的に製造間接費の差異で重視すべきなのは予算差異ですので、今後受けられる方は頭の片隅に入れておくといいかもしれません。

 

問5(2)は、上記の理由。

金額管理するしかないよね、ということですが、意外と書けないと思います。

私もほとんど書いていなかったような気がします。

 

以上が第1問-問題2です。

続いて、第2問-問題1を見てみましょう。

第2問 – 問題1

今年の管理を難しくした一番の原因は間違いなくこの問題ですね。

時間内にこの問題を解ききれる人はほとんどいないと思います。

結果として、ほとんどの問いが埋没になることが想定されるので、本番ではいかにこの問題に時間を使わずに飛ばすことが出来たかということが大事だったと思います。

なので、この問題は各問について書くことはしませんが、このような難しい問題でも簡単に点が取れる部分もありました。

たとえば、問2のクについては、CCCを出す問題なので一見難しそうに見えますが、3つの回転期間が与えられているので、それを使って足し引きするだけです。

問1のカについても、それほど難しい計算なしで解くことが出来ます。

こういう計算問題では、あまり時間をかけずに上記のような問いを拾っていくということが非常に大事になってきますが、日頃から意識していないとなかなか難しいと思うので、これから受ける方はそんなことを意識して答練等を受けると良いと思います。

 

最後に、第2問-問題2です。

第2問 – 問題2

ABCの問題ですね。

問題自体はそれほど難しいものではありませんでしたが、変動販売費の取扱いで間違えてしまった人は多いと思います。

 

問1は、セールスミックスと売上総利益を出す問題でした。

ア・イのセールスミックスは機械稼働時間と年間最大需要量を制約条件として、単位当たり貢献利益の高い順に販売量を設定するだけなので解けた人も多かったんじゃないでしょうか。

問題はウ~カの売上総利益を出す問題ですね。

直前のセールスミックスの計算で貢献利益を算出しているということもあって、売上総利益が聞かれているのに変動販売費まで引いてしまうというミスをした人がほとんどだと思います。(私も普通にミスしました。。。)

計算自体は複雑ではなかったので、悔やまれるところです。

(ただ、多くの人が同じ間違いをしているので、ある意味埋没とも言えるかもしれませんね。)

 

問2は、シンプルな差額原価収益分析です。

こちらは丁寧に差額原価と差額収益を集計していけば、上記のミスに関係なく解ける問題なので、確実に拾いたかった問題かと思います。

 

問3については、あまり見慣れない形式の問題かなとは思いますが、前後の文脈をしっかりと読めば特に計算もせずに解ける問題なので、今回の試験のような全体的に難しい試験のときには、落としてはいけない問題だと思います。

まとめ

これで2日目の1科目目が終了です。

昨年の問題が比較的簡単だったこともあって、今年は多少難しくなることが予想されていましたが、ここまで難しい(点が取りにくい)問題になるとは思っていませんでした。

ですが、今回の試験でいう資金管理や売上総利益の引っ掛けのような奇をてらったとも言える問題では差がつきません。

管理会計論はどちらかというと「守る科目」だと思うので、どのような問題であったとしても「取るべき問題を落とさずに取り切る」ことが出来るかどうかが管理会計論の成否を分かつということを改めて実感させられた試験でした。

それでは、2科目目の財務会計論です。

会計学Ⅱ(財務会計論)

いよいよ財務会計論がやってまいりました。

論文式試験で唯一、3時間の科目であり、配点は他科目の2倍の200点。

受験生の誰もが、ここで失敗したらやばいということは分かっているでしょう。

それだけに、ほかの科目よりも数段試験前の緊張感が増していたような気がします。

 

今年の試験は、昨年と比較して易化傾向にあったと言われています。

ですが、「第4問・第5問が難しかった昨年の問題と比較して」、易化傾向にあるというだけであり、それほど簡単だったと感じた人は多くないんじゃないかと思います。

もちろん簡単な問題も多々ありましたので、そこでいかに確実に拾えるかということが大事だったと思います。

それでは各問題を見ていきたいと思います。

第3問 – 問題1

問1は、S/S(株主資本等変動計算書)からの出題でした。

平成28年の第3問-問題2においても同じようなS/Sの問題が出題されていることから、作問者は同じ人かもしれません。

ここで注目したいのは、2年前と同様の形で出題がなされているということです。

論文式試験は短答式試験とは異なり出題形式が多様なので、答練等含め、同様の形式で問われることがまずないと言えます。

ですが、今回のように直近の過去問から同様の形式が出題されたということは、試験委員は直近の過去問を参考にしているということが分かります。

論文式試験では過去問をしっかり解く受験生はあまりいないような気がしますが、今後は、直近3年間等の過去問は、解かないまでも目を通しておくことをお勧めします。

※長くなってしまうので、具体的な計算問題の解説は割愛します。

 

問2は、S/Sに変更された理由です。

これは典型理論とまでは言えないまでも、比較的書けた人が多いと思います。

具体的には、会社法が改正されたこと等によって、純資産の変動要因がこれまで以上に増加したということが背景にあります。

(これまでは中間配当・期末配当のみだったのが、期中のいつでも行えるようになった)

変動要因が増えると、これまで以上に純資産は変動するようになるので、より詳細なディスクロージャーが求められるようになってきます。

これが、S/Sに変更された経緯になるので、この点を簡潔に記載できれば問題ないと思われます。

 

第3問 – 問題2

問1は、個別C/Fからの出題でした。

短答でも論文でもしばらく出ていなかったので、個別C/Fが出るかもと言われていましたが、どちらかというと連結C/Fの方が出る可能性が高いと言われていたので、最初にC/F計算書のフォーマットが目に入ったときは、「ついに来たか、連結C/F・・・」と思った方が多かったんじゃないでしょうか。

C/F計算書は構造の理解が非常に大事な論点なので、苦手にしてしまう方が多いところではありますが、今回の問題は例題レベルの基礎的問題だったので、解けないとむしろマイナスになってしまうという印象を受けました。

とはいえ、試験の緊張感の中で冷静に完答するというのはそれほど簡単なことではないです。

(私もただの引き算を間違えてしまいました・・・)

普段は出来ることでも試験になると出来なくなってしまうというのはよくあることです。

なので、簡単な問題でいかにそういったミスをなくせるか、ということを考えて日々の勉強に取り組むと、本番で大きく点を伸ばせるんじゃないかと思います。

 

問2は、C/F計算書に関する理論です。

①は、「非資金取引」は名前の通り、現時点で資金の動き(=キャッシュ・フロー)を伴わない取引なので、当然にC/F計算書には表示されません。これは普通に考えれば分かることなので、書きたいところかなと思います。

②は、重要な非資金取引を注記する理由ですが、C/F計算書はキャッシュの状況について報告する資料である以上、キャッシュが関係しているものがその表示の対象となります。
なので、非資金取引がどのようにキャッシュに影響を与えるのかを考えてみると、現時点では影響がないものの将来には影響があるということが導けると思います。(基準集に非資金取引の例示が載っているので、その辺からも判断可能)
将来のキャッシュに影響があることがわかれば、それは利害関係者に伝える必要があることがわかるので、これが注記する必要性に繋がってくるということが分かると思います。

このように、その論点を聞いたことがなかったとしても、いまある情報をもとに推測して解答を導くことができます。

財務理論は範囲が膨大なので、すべての論点をカバーするというのは非現実的です。

なので、日頃の答練等で、いかに上記のように自分で考えることができるか、ということを意識すると良いと思います。

③は、これは聞いたこともない論点だと思います。こういう問題は考えたとしても的を射た解答を思いつくことが難しいので、あまり時間をかけずに思いつきベースで解答を埋めるというのが得策だと思います。(②と違って、考えるための拠り所となる情報が少ないため)

 

これで第3問は終了です。

財務の計算問題は第3問と第5問に分かれていますが、第5問の計算問題は総合問題で資料も多く、また解くために多くの時間を要することから、あまり点数が伸びづらいという特徴があります。(もちろん簡単な年もあるので、一概には言えませんが、簡単な年でもそれほどボーダーは上がらないと思います。)

一方、第3問は資料も比較的少なく、問題自体もシンプルな問題が多い傾向にあります。

論文式試験の計算問題と言えば、「連結総合問題や組織再編の総合問題」といった難しい総合問題のイメージが先行しますが、実際には第3問の個別論点をしっかりと拾えるか、ということの方が合否に影響してきます。

特に12月短答合格組や過年度生は、短答式試験から時間が空いてしまうので、その間に個別論点に触れていないと足元をすくわれるなんてこともあると思います。

この点に気づけている受験生はそう多くないので、第5問の対策と同様に、またはそれ以上に、第3問でしっかりと点を取るための対策をしてほしいと思います。

 

続いて、第4問です。

第4問 – 問題1

第4問は、昨年の問題が非常に難しかっただけに、今回は書きやすい問題が多かった印象を受けました。

冒頭で、今年は易化傾向にあることを述べましたが、第4問の難しさが大きく影響していると思います。

 

問1(1)は、ラッキー問題ですね。(逆に落とすと厳しい問題)

基準集に書いてある文言をそのまんま写せば解答になるという珍しい問題です。

これはちゃんと書けたかよりも、いかに早く書けたかということが重要になってくる問題と言えます。

 

問1(2)は、実現の2要件はしっかりと書けないといけないですね。

そのうえで、売買目的有価証券の評価差額の処理について、実現主義の観点から書けるかどうか。

売買目的有価証券の評価差額は実現していないというのは多くの人が分かると思います。

そのうえで、事業遂行上の制約がない等の理由から、評価差額を実現とみなせるという売買目的有価証券の特徴を書けたかどうかというのがポイントになってくると思います。

 

問2は、聞いたことがないと書くのが難しい論点だと思います。

逆に、聞いたことがある人はすらすら書けたんじゃないでしょうか。

この容認処理自体は短答の知識として学ぶので、知っている人が多かったと思いますが、その理由まで踏み込んで押さえられている人はそれほど多くないような気もします。

売買目的有価証券とその他有価証券の特徴の違いから推測することも出来なくはないですが、知らなければ相当厳しかったと思います。

 

問3は、見た瞬間に知らねーよと思った人が多いと思います。

こういうときは、基準集を引いてみることをおすすめします。

今回の問題も基準集を引いてみると、信託財産の構成物である有価証券の評価方法については規定が記されています。

諦めずに基準集を引くことで、半分程度の点数を拾うことができるのです。

これは小さいようで非常に大きなアドバンテージになります。

あとはその評価方法をもとに、それらしい理由を推測して書ければ、完全に合格点です。

第4問 – 問題2

問1は、純利益の重要性の観点から、株主資本を区分して表示する理由。

これは概念FWの典型理論と言えると思います。

満点解答を書くのは難しいと思いますが、方向性を外さず、キーワードを盛り込むことが出来るか、というのが大事だったと思います。

 

問2は、評価・換算差額を純資産の部に表示する理由と、それを株主資本と区別して表示する理由。

ここで注意したいのは、1つの問いで2つ問われているということ。

どっちかの問いを読み飛ばしてしまうと、自ら半分捨てに行ってしまうのと同じなので、こういうミスを絶対しないように気をつけてください。

 

前半の評価・換算差額を純資産の部に表示する理由は、意外と思いつかなかった人が多いと思っていますが、実はめっちゃシンプル。

概念FWにおける「純資産」の定義を考えてみると、「純資産=資産-負債」といったように、間接的に定義されていることが思い出せると思います。

つまり、純資産は、資産を明確に定義して、負債を明確に定義して、その差額として定義されている。

これを前提とすると、純資産の部に表示する理由は消極的なものにならざるを得ないわけです。

よって、評価・換算差額は、資産性、負債性がないから、純資産に表示するんだよ、ということになります。

このように定義に戻って考えるということは非常に重要です。

というのも、定義に戻れば大きく的を外した答案を書いてしまう(いわゆる論ずれ)危険性が少なくなります。

そうすると、少なくとも部分点が得られる答案が作れるので、その問題が足を引っ張るというリスクを限りなく小さくすることが出来ます。

論文式試験はそもそも素点のボーダーが低いわけですから、この手法で部分点を稼ぐというのはめっちゃありな戦法だと思います。

第4問 – 問題3

問1は、未実現損益の消去に伴って計上すべきDTAの金額。

なにやら色々と資料は与えられていますが、未実現利益の金額が与えられているので、実質的に、「どの税率を用いますか?」という理論問題と言えます。

未実現利益の消去にあたって、販売側の税率を用いるということはさすがに知っていると思います。

なので、ここでの問題は、当年度と次年度のどちらの税率を用いるか、ということです。(これが問2の理論に繋がっていきます)

結論から言うと、当年度の税率を用います。

これは最初に聞くと違和感があるところで、我が国の税効果会計では基本的に資産負債法を採用しているので、「差異解消年度」の税率を用います。(将来の税引前当期純利益と法人税等を対応させるとともに、将来の税金負担に与える影響を示すため)

これを前提とすると、本問の当年度の税率を用いるのはおかしいんじゃないか?とも思えますが、その理由が問2です。

 

問2(1)は、「繰延法」が答えになります。

基本的には税効果会計は資産負債法に基づくのですが、未実現利益の消去のときは例外的に繰延法になります。

 

問2(2)で、その理由が問われています。

理由を一言で表すと、「課税関係が完了しているから」です。

つまり、販売側であるP社の個別では、未実現利益(個別上は実現)についてすでに課税されているので、その部分については連結固有の一時差異を構成するものの、将来の税金負担に与える影響はないため、資産負債法を採用する理由がないことになります。

よって例外的に繰延法が採用されるという特殊な処理になるわけですが、この点の理論が問われたということになります。

これは知っていれば当然の知識ではあるわけですが、知らないとなかなか書けない問題だったと思います。

 

ここまでが第4問です。

昨年と比較して、やはり書きやすい問題が多かった印象です。

財務諸表論が得意な人は、聞いたことがある論点が多く、高得点も望めるんじゃないでしょうか。

今回思ったのは、財務諸表論はその場で考える問題もありますが、やはり「論点を知っているかどうか」が得点に大きく影響してくると感じました。

なので、今後受けられる方は、基本的な論点の学習を終えた後は、「広く浅く」を意識して知っている論点を増やしていく勉強をすると良いと思います。

第5問 – 問題1

今年は、昨年と比べてシンプルな問題になったと言えます。

また、出題が予想されていた企業結合や事業分離も出題されなかったので、多くの方が対策をしている連結に関する問題でした。

A社については、持分法から連結への移行。

B社については、在外子会社の連結。

なので、一見シンプルで簡単な問題に見えますが、第5問を難しくしている点が2つあります。

 

1つ目は、取得関連費用の取扱い。

持分法では、取得関連費用は株式の取得原価に算入しますが、連結では、取得関連費用は発生時の費用として処理します。

この点に留意して、正確に解けたかどうかがまず1つ目の壁となります。

 

2つ目は、仕掛研究開発の取扱い。

これは一般的な連結の問題で解いたことがある人はほとんどいないと思います。

企業結合の時には、識別可能資産として仕掛研究開発を時価評価するという論点が出てくることが多いですが、企業結合以外で出てくるのは初めて見ました。

この処理については本番中に迷った方が多かったと思います。

私はどう処理すれば良いか全然わからなかったので、ガン無視しました。笑

ですが、結果的に仕掛研究開発が絡んでくる問題はそこまで多くなかったので、ボーダーラインの点数を確保するという意味においては、いつもの連結の処理が正確に出来たかということがやはり大事だったなと思います。

 

問5は、普段解いている計算問題を理論形式で書く問題です。

これは理論問題のようで本質は計算問題なので、日頃行っている計算を言葉に落とせるかが試されています。

このような理論問題はあまり見かけないですが、計算の過程を言葉で説明できる力は今後必要になってくるかもしれないですね。

第5問 – 問題2

持分法と連結の相違点に焦点を当てた問題です。

持分法は連結の簡易版みたいなイメージなので、基本的に純利益や株主資本に与える影響は連結と変わりません。

ですが、支配を獲得しているのか、影響を及ぼしているに過ぎないのかによって、若干処理が異なってくる部分があります。

その相違点を4点挙げろという問題でしたが、いつもの計算で分かる部分(評価差額とか取得関連費用とか)があるので、2つ以上は書きたいところかなと思います。

第5問 – 問題3

企業結合の翌年度以降にのれんが変動する2つの要因が問われています。

あまり聞き慣れない話なので、これを見てピンとくる人はなかなかいないんじゃないかなと思います。

こういうときは、基準集です。

本問においても、基準集を引いてみるとそれらしき記述が見つけられると思います。

あとは基準集の文言をそれっぽく写すだけでそれなりに点が来ると思いますので、こういう聞き慣れない問題でも何かしら書く努力をすると少しでも部分点を拾うことが出来て、合否に影響してくるのではないかなと思います。

まとめ

全体を通して、やはり合否を分けるのは難しい問題ではなく、「簡単な問題をいかに確実に拾えるか」だということが分かって頂けたのではないかと思います。

財務会計論は一番全体に占める割合が大きい科目だからこそ、そういったことがより重要になってきます。

そのうえで、難しい問題についても今ある知識で立ち向かう努力をしてみる。

これだけでおそらくボーダーラインは十分に超えられると思います。

財務会計論で点数を稼ごうとして、どうしても難しい論点や複雑な問題にばかり目が行きがちですが、本質的に重要なのは簡単な論点の取りこぼしがないか、というところです。

簡単な問題の取りこぼしをなくすことは、難しい問題を取り切ることよりも遥かに簡単なことです。

難しい問題は事前にかける労力や時間も膨大なものになる上に、本番で出たとして解ける可能性はそれほど高くはならないのが現実です。

そう考えると、基礎的・基本的論点の反復こそ、本番でしっかりと合格点を取る秘訣だと思います。

答練とかが難しい分、事前の勉強中には、「それだけいいのか?」という気持ちが出てくるのは正直分かります。

ですが、そこに囚われずに、まず基本的な論点で見落としがないかを確認することを優先して勉強に取り組んでほしいと思います。

今回の財務会計論は、それをより実感させてくれる試験だったなと思います。

2日目を終えて

これで一番の山であった2日目が終了です。

正直、1日でこれだけ疲れた日は他にないんじゃないかというくらい疲れました。

2日目が始まる前が一番憂鬱でしたよね。

何度「早く終わってくれ・・・」と思ったことか。

やはり2日目は1日目とは違う緊張感があったせいか、振り返ってみればあっという間だったものの、渦中にいる時にはものすごく長く感じました。

ほとんどの受験生が事前に模試を受験していると思いますが、模試とは比べものにならないくらい疲れたという人がほとんどだと思います。

とはいえ、まだ2日目が終わったところ。

なんなら暗記勝負とも言える企業法と経営学が最終日に控えています。

もう身体はボロボロになりながらも最後の詰込みを行う。

本当につらい時間ではありましたが、ここで負けてたまるものか、と最後の力を振り絞って勉強したのを鮮明に覚えています。

こうして疲労困憊になりながらも2日目を終え、3日目(最終日)に挑むことになります。

以上で、2日目は終わりになります。

またまた長文になってしまいましたが、読んでいただきありがとうございました。

(3日目はもうちょっと短くします。。。)

 

3日目は、こちら