いよいよ3日目、最終日です。

前日の会計学が山だったとはいえ、足切りの可能性もありますし、まだまだ気は抜けません。

私は西早稲田キャンパスで受験したので、会場がオープンする前に近くのマクドナルドに寄ってみたのですが、最終日にも関わらず多くの受験生が最後の詰込みを行っていました。

それを見て、なおさら最後まで気は抜けないなと気を引き締めたのを覚えています。

それでは、最終日スタートです!

 

(問題はこちらの金融庁のHPよりご確認ください。)

企業法

3日目の1科目目は、企業法です。

今年の企業法は、とても骨の折れる問題だったと思います。

事前にピンポイントで対策している受験生は少なく、その場で考えて答えを出すような試験でした。

そういった意味でとても良い問題だったと思います。

ですが、受験生からすると、あの時間内で考え切って答えを書き切るというのは並大抵のことではないので、試験が終わった時には疲れ切っていたのではないでしょうか。

私も企業法の試験後は半ば放心状態でした。笑

そんな企業法ですが、簡単に概要を見ていきましょう。

第1問

問題1は、事前に対策していた人はほとんどいないと思います。

というか、この論点自体がぜんぜんピンとこないという人も多かったのではないかと思います。

短答の論点として、「債権の弁済期が到来している場合には検査役の調査が不要」という論点はありましたが、そもそもこの論点自体がマイナー論点ですので、覚えている受験生の方が少ないでしょう。

なので、この問題は試験時間中にいかに基準集を引けたかということにかかっています。

実際引いてみると、207条9項5号に債権の弁済期が到来している場合について言及されています。

あとはその周辺の手続を記載すれば、合格点は十分に超えると思います。

 

問題2は、あまり見たことのない論点でした。

一瞬見せ金のような論点にも見えますが、見せ金って(通謀ではないものの)銀行が関わっていたような気がします。

今回は、会社と社員の間で行われた取引に過ぎないので、見せ金ではないと思います。

ですが、会社が交付した資金をもとにそれを出資している過ぎないので、実質的に会社財産が確保されていません。

なので、これは仮装払い込みに該当すると解すことができます。

これを前提として、社員がどのような責任を負うかということを書いていけば、大きく論点は外さない解答が作れると思います。

あとは、「どのような責任を負うか」以外にも、「議決権を行使することができるか」が併せて問われているので、こちらも忘れずに解答するように注意しましょう。

(前半を書いて満足してしまうなんてことが本番の緊張感の中ではあり得ます・・・)

 

続いて、第2問です。

第2問

問題1は、合併の実施を断念させるために、効力発生前の段階において採りうる最も効果的な法的手段についてです。

問われているのが、「最も効果的な法的手段」なので、今回の事例問題に即して現場で考える必要があります。

ですが、これが難しい。

そもそも企業法も他の科目同様に時間がタイトな科目なので、現場で考えられる時間には限界があります。

たしかに問題としては良問と言えると思いますが、そういった状況の中で最も効果的な法的手段を考えるのはしんどいなあと感じた方が多いのではないでしょうか。

しかもこの問題は、現時点(2018年9月上旬)で予備校間で最も効果的な法的手段が割れています。

そうなってくると、もはや受験生があの時間内で非の打ち所がないような解答を作るのはほぼほぼ不可能でしょう。

なので、今回は大まかな方向性は間違えずに、解答欄を埋めていれば問題ないような気がします。

 

問題2は、合併の効力を争う手段についてです。

こちらも問題1と同様に現場思考型の問題なので、相当しんどかったと思います。

しかも解答行数が結構多かったので、試験中に泣きたくなった受験生が多いと思います。

問題1よりも何を書けば良いのかが掴みやすい問題だとは思いますが、それでも難しい問題だと思うので、これも大まかな方向性を間違えずに解答欄を埋められたかが大事だったのかなと思います。

まとめ

少し短いですが、企業法はこれで終わりです。

企業法という科目の性質に加え、予備校間で解答が割れていることが示唆している通り、点数が来ると考えられる解答は一つではありません。

なので、今回受けられた方は、明らかに論ずれしていない限りは内容に関してあまり気にする必要はないと思います。

(というか、試験委員のさじ加減次第的なところが多分にあるので、気にしてもしょうがないと思います。)

一方、今後受けられる方についてですが、企業法の論文の勉強としては、たとえ現場思考型の問題が多く出題されるとしても、まずは典型論点を押さえていくことをおすすめします。

それらを通して企業法の型を身に付けることは大事ですし、それが現場思考型の問題に対応する力を養成してくれます。

そのうえで本番では、きれいな文章を書くよりも、とにかく解答欄を埋めることを意識して欲しいと思います。

どこに点数が来るか分からない以上、出来る限りのことを書いて、点数がもらえる可能性を高めることが大事だからです。

(もちろん論ずれしていたら意味がないので、書き始めは慎重に。)

 

続いて、2科目目の経営学です。

経営学

いよいよ最終科目の経営学です。

これまで2日間をこなしてきたうえに、直前の企業法が難しかったことから、おそらく多くの受験生がこの時点で相当疲弊していたと思います。

受験生の中には、経営学を軽視してあまり勉強時間を割かない人が多いような気がしますが、配点としては財務以外の他科目と変わらない以上、決して気は抜けません。

むしろ、経営学の第1問はただの暗記ですし、第2問はそれほど難しくないファイナンスなので、実力差がもろに反映される(逆に言えば、得意なら偏差値を上げやすい)科目とも言えます。

なので、それぞれの状況において変わってくるとは思いますが、これから受ける方については、経営学が得意科目になるように勉強時間を配分してほしいなと思います。

それでは、経営学いってみましょう!

第1問

問題1は組織に関する理論、問題2はマネジメントに関する理論からの出題でした。

経営学の第1問は理論問題(主に穴埋め問題)ですが、膨大な試験範囲の中から出題されるにも関わらず問われる語句はほんの少しです。

その分1つあたりの配点が高くなるので、運の要素が強い科目と言われることが多いですが、今回の試験では、テキストにしっかり記載されていて、かつ、重要性Aの論点からの出題が多かったと思います。

個人的にはこれは良い傾向だなと思っていて、というのも、テキストをしっかりと勉強(暗記)すれば間違いなく点が取れるからです。

過去問では、テキストを覚えていてもなかなか点が取れないという問題も多く出題されていました。

正直経営学の理論問題はそういった傾向にあったので、今回の試験に向けてあまり理論に時間を割いていなかった受験生も多かったと思います。

ですが、今回ふたを開けてみたらテキストに載っている問題ばかりからの出題でしたので、むしろ落としてしまうと不利になってしまうような問題も多かったです。

今後この傾向が続くかどうかは分からないですが、そういう試験だった場合に不利になってしまうのは本当にもったいないので、冒頭に書いた通り、経営学が得意になるくらいまで時間を割いてみてほしいなと思います。

第2問

問題1は、リアルオプションに関する問題でした。

こういった形式の問題はあまり見たことがない問題だと思うので、少し戸惑った人もいたのではないでしょうか。

問1は、NPVとIRRの基本的な問題なので、確実に拾いたいです。

問2-1は、リスク中立確率を求めるシンプルな問題ですが、「原材料価格を原資産価格とした場合」という少しイレギュラーな感じの出題でしたので、間違えてしまった人も多いような気がします。

問2-2は、上記のリスク中立確率を用いた投資プロジェクトの評価ですが、よくわからなかった人が多かったのではないかと思います。これは出来なかったとしても合否には影響しない問題だと思います。

問2-3は、あまり聞き慣れない言葉の選択問題ですが、問題文から判断して消去法的に解ける問題なので、拾いたいところです。

 

問題2は、CAPMを用いてWACCを求めたりする問題です。

問1は、CAPMで期待収益率(=株主資本コスト)を求めるだけの問題です。負債は利用していないので、これがそのままWACCになります。少しイレギュラーな問い方ですが、確実に正答したいです。

問2は、事業資産に対する期待収益率を出す問題。ここで詰まった人が多いと思います。

余剰現金からはリスクフリーレート分のリターンしかないので、問1の期待収益率から得られるリターンの残り部分を事業資産で賄っていると考えれば良いと思いますので、これを試験中に考えられる人はそんなに多くないと思います。

ちなみに、私は余剰現金からはリターンが生じないと仮定して解いたので、計算結果が少しずれてしまいました。なんで余剰現金からリスクフリーレートのリターンが生じるんでしょう・・・?

問3は、事業資産のベータを出す問題。これも問2同様に詰まった人が多いと思います。

余剰現金は市場ポートフォリオとは全く連動しないので、ベータはゼロになります。

株式価値全体のベータを事業資産だけで賄っているので、問2同様に計算したら解答が出せます。

問4、5は、上記と同じ考え方なので、ここまでが出来た人は出来たんじゃないかと思います。

問題2は、計算自体は簡単なので、答えを聞いたら理解できない人はいないと思いますが、何が問われているのかが掴みにくい問題だったと思うので、問1だけ出来ていれば合否には影響しないと思います。

 

問題3は、債券に関する問題です。

いずれも基本的な問題ばかりなので、問題1と問題2に取りづらい問題がある分、ここでは端数処理に気をつけてしっかりと合わせたかったところです。

 

問題4は、オプションに関する問題です。

こちらも複製ポートフォリオに関する基本的な問題が多かったと思いますので、端数処理に気をつけてしっかりと合わせたかったところです。

まとめ

以上で、経営学も終了です。

理論問題は例年より取りやすい問題が多かった分、平均点は上がると思います。

一方、計算問題は取りづらい問題もそれなりにあったので、例年同様か、それよりも若干平均点は下がるかなと思います。

いずれにせよ、経営学もテキストレベルの問題をしっかりと確実に拾えるかということが大事になります。

理論は量が多く、計算は難しい雰囲気があるので、経営学を敬遠する受験生が多いですが、理論は覚えれば点が取れ、計算は(本質的に理解していなくてもある程度の理解で)比較的点が取りやすいという特徴を考えると、これを苦手にしてしまうのはもったいないと思います。

かと言って、経営学ばかりに時間を割くことはかえって非効率になる可能性を秘めているので、他科目とのバランスを考えつつ、経営学への時間配分を決めてみてください。(それが難しいんですけどね。。。)

3日目を終えて

はい、これでついにすべての科目が終了しました。

平成30年の論文式試験を受験された方、本当に本当にお疲れ様でした。

まずは、3日間をやり切った自分を十分に褒めてあげてほしいと思います。

試験結果が気になる3ヵ月ではあると思いますが、もはや私たちに出来ることはないので、過去を振り返っている時間があったら、この3ヵ月を他のもっと有意義なことに使ってほしいなと思います。(今年芳しくなかったと感じている方も同じです。)

勉強をしなくていい日々は違和感すら覚えるかと思いますが、いったん受験生であることは忘れて、失った青春?を取り戻してみてください。

来年受験される予定の方は、この3日間を終えたときに、「やり切った」「後悔はない」と思えるように勉強に励んでみてください。

淡々と過ぎていく日々はときにつらいものがあると思いますが、自分が決めた夢のために努力しているということを忘れずに、ときにはしっかりと休息も入れ、最後まで走り切ってください。

長文になってしまいましたが、ここまで読んでくださった方はありがとうございました。

今後もよろしくお願いします。